税理士事務所のブログを調査していると、「惜しい」と感じることがあります。
記事そのものはしっかりしています。
相続、会社設立、確定申告、法人税などについて、税理士としての専門知識を使って丁寧に解説しています。
検索して初めて事務所を知った人にとっても、役に立つ内容です。
ところが、記事を読み終わったあとに、
「次に何を読めばいいのか」
「この事務所は何をしてくれるのか」
「相談するとしたらどうすればいいのか」
が分からないブログも少なくありません。記事を読んで、そのまま終わってしまいます。
これはかなりもったいない状態です。
「うちはサイドバーに問い合わせバナーを置いている」と思うかもしれません。
ただ、そのバナーが読者の目に入る場所にあるのか、その記事を読んでいる人に合った案内なのか、その先のページまで自然につながっているのかも考える必要があります。
リンクやバナーを置くだけでは、問い合わせまでの導線にはなりません。

お問合せの件数を増やしたいなら、新しい記事を書いたり、アクセスを増やしたりする前に、今すでにブログへ来ている人を問い合わせまでつなげられているか。
これを一度確認してみる価値があります。
良い記事を書くだけでは問い合わせにつながらない
たとえば、
「相続税の基礎知識」
という記事を読んだ人がいたとします。
そして内容が分かりやすく、
「この税理士事務所は詳しそうだな」
と思ってもらえたとします。
ここまでは上手くいっている税理士ブログも多いです。
しかし問題はそのあとです。
記事の最後に何もなければ、読者はそこで読むのをやめるかもしれません。
トップページへ戻って、
そこからサービスを探して、
料金を探して、
相談方法を探して、
問い合わせページを探す。
そこまで自分で動いてくれる人ばかりではありません。
記事を読んだあとに次のページが自然につながっていれば、もう少し事務所のことを知ってもらえる可能性があります。
ブログ記事は、読まれることがゴールではありません。
自社集客を目的にするのであれば、その記事を読んだ人が次にどう動くかまで考える必要があります。
新しく集客する前に、今ある集客力を活かす
問い合わせを増やしたいと考えると、
「もっと記事を書こう」
「SEOを強くしよう」
「SNSを始めよう」
「広告を出そう」
と、新しい集客を増やす方向に目が向きやすくなります。
それも必要な場面はあります。
ただ、すでに検索からブログを読みに来ている人がいるなら、その人たちをそのまま帰してしまうのはもったいないです。
たとえば毎月100人が記事を読んでいるとして、その100人を150人、200人に増やすことだけが集客ではありません。
今来ている100人の中から、
「別の記事も読んでみよう」
「この事務所についてもう少し知りたい」
「料金を見てみよう」
「相談してみよう」
と次へ進む人を増やす方法もあります。
アクセス数を増やさなくても、今あるアクセスの取りこぼしを減らせる可能性があります。
ブログ記事を単体で終わらせない
ここで大切なのは、ブログ記事を1本ずつ独立して考えないことです。
検索から記事を読みに来た人が、その内容を理解したあと、
次は何を知りたくなるのか。
そこまで考えて、次の情報につなげます。
たとえば、
基礎知識の記事
↓
もう少し具体的な悩みを解決する記事
↓
その事務所が対応できること
↓
料金やサービス内容
↓
問い合わせ
という流れです。
ただし、すべての記事を同じ順番につなげればいいわけではありません。
読者が何を知りたくてその記事を読んだのかによって、次に必要な情報は変わります。
税理士ブログの導線は記事によって変わる
具体的に考えてみます。
相続について調べている人
最初に、
「相続税はいくらからかかるのか」
「相続税の申告は必要なのか」
といった記事を読む人がいるとします。
この人に、いきなり顧問契約のページを見せてもおそらく契約してくれませんし、話が急に「契約」に飛んでしまうため、違和感を持たれるかもしれません。
たとえば、
相続税の基礎記事
↓
相続税申告の流れ
↓
どんな場合に税理士へ相談した方がいいのか
↓
この事務所の相続税申告サポート内容
↓
料金
↓
相談・問い合わせ
という流れなら、読者の疑問に沿って進めます。
最初は税金について調べていただけだった人が、読み進める中で、
「自分でやるのは難しそうだ」
「この事務所なら対応してもらえそうだ」
と考える可能性があります。
会社設立について調べている人
会社設立の記事を読んでいる人なら、必要な情報は変わります。
たとえば、
会社設立後に必要な税務手続き
↓
設立直後によくある税務上の悩み
↓
税理士に依頼できること
↓
顧問サービスの内容
↓
料金や契約までの流れ
↓
問い合わせ
という流れが考えられます。
この場合も、最初から「顧問契約してください」と見せるより、
今抱えている疑問から少しずつサービスへ近づけた方が自然です。
必要な情報を順番に読んでもらうことで、サービス内容や事務所への理解も深まります。
問い合わせの段階でも、
導線が整っていない場合
「とりあえず話だけでも聞いてみよう」
↓
導線が整っている場合
「この事務所に相談したいから、細かいことを確認したい」
というように、
問い合わせる時点での心理が変わる可能性があります。
問い合わせ前にどこまで理解してもらえているかでも、相談の中身は変わってきます。
確定申告について調べている人
確定申告の記事なら、
確定申告の基礎知識
↓
必要書類や注意点
↓
自分で申告する場合と税理士へ依頼する場合
↓
依頼した場合の流れ
↓
料金
↓
問い合わせ
という流れも考えられます。
同じ税理士事務所のブログでも、相続、会社設立、確定申告では読者の状況が違います。
だから、すべての記事の最後に同じリンクを置くだけではなく、
「この人は次に何を知りたいだろう」
と考えてつなげていく必要があります。

関連記事を置くだけでも導線になるとは限らない
ブログによっては、記事下に「関連記事」が自動で表示されています。
ただ、関連記事があるだけで導線ができているとは限りません。
たとえば相続税の記事を読んだあとに、
「税理士事務所の日常」
「事務所スタッフの休日」
「法人税の改正情報」
が並んでいても、相続について調べている人の次の疑問にはつながりにくいでしょう。
関連記事を増やすことより、
今の記事を読んだ人にとって次に必要な情報は何か。
その順番を考える方が重要です。
実績や事務所の考え方も途中に必要になる
税金についての記事だけを何本読んでも、
「この事務所に依頼して大丈夫なのか」
までは分からないことがあります。
専門知識があることと、実際に相談したいと思えることは別だからです。
どこかの段階で、
- どんな相談に対応しているのか
- これまでどんな仕事をしてきたのか
- どんな税理士が対応するのか
- 仕事で何を大切にしているのか
- 相談から契約までどう進むのか
といった情報も必要になります。
ブログからサービスページへ直接飛ばすだけではなく、その間に信頼を作るページを入れる方が自然なケースもあります。
今ある記事の導線を見直してみる
すでに何十記事も書いている税理士ブログなら、新しい記事を書く前に今ある記事を見直して導線を設計してみてもいいと思います。
たとえば、
- 検索から読まれている記事はどれか
- その記事の次に読むページはあるか
- 関連する記事同士がつながっているか
- サービス内容までたどり着けるか
- 料金や依頼までの流れが分かるか
- 最後に問い合わせ方法が分かるか
こうして見ると、新しく記事を書かなくても、今あるページのつなぎ方を変えるだけで改善できる部分が見つかることがあります。

すでに検索から読者を集められているなら、そのアクセスを記事だけで終わらせるのはもったいないです。
新しい記事を増やす前に、今ある記事やページをつなぎ、サービスや問い合わせまで進める流れを作れるかもしれません。
記事を書いてアクセスを集めていても、「どこで流れが止まっているのか」「次にどの情報へつなげればいいのか」は、自分のブログでは気づきにくいことがあります。
集客導線研究所では、実際のお客様になったつもりでブログを読み、記事から次の情報へ自然に進めるか、サービスや料金を理解できるか、問い合わせまで迷わず進めるかを確認する「顧客視点診断」を行っています。
問題点だけでなく、具体的な改善方法と優先順位まで整理してお伝えします。
まとめ
ブログで集客するなら、記事を読んでもらうところだけで終わらせないことが大切です。
記事を読んだ人が、
次に何を知りたいのか。
- どの記事を読めば理解が深まるのか
- どこで事務所のことを知ってもらうのか
- どこでサービスや料金を確認してもらうのか
- どうやって問い合わせまで進んでもらうのか
そこまでつながって、初めてブログ全体が一つの集客導線になります。
問い合わせを増やしたいからといって、毎回新しい集客方法を増やす必要はありません。
すでに記事を読みに来ている人がいるなら、まずはその人たちを問い合わせまでつなげられているか。
今ある集客力を活かすところから見直してみてもいいと思います。

