税理士事務所のホームページには、代表税理士の顔写真や経歴、実績などが詳しく紹介されていることがあります。
しかし、実際に契約した場合、誰が担当してくれるのでしょうか?
代表税理士が対応するのか、別のスタッフが担当するのか。それとも複数人で対応するのでしょうか。
お客様にとって、契約後に誰が担当するのかは、事務所を選ぶうえで大切な情報です。
ところが、代表税理士やスタッフの紹介があっても、契約後の担当者については分からないホームページもあります。
また、「スタッフが親身にサポートします」と書かれていても、具体的に誰が何をしてくれるのかまでは分かりません。
今回は、この2つの問題と改善方法を、実際に調査した税理士事務所の良い事例5つとともに紹介します。
契約後の担当者が分からないHPには2つの問題がある
① 誰が担当するのか分からない
例えば、代表税理士の顔写真や経歴、実績が詳しく紹介されているホームページがあったとします。
お客様はその内容を読んで、「この先生なら安心して任せられそう」と感じるかもしれません。
しかし、契約後は別のスタッフが担当する可能性もあります。
もちろん、スタッフが担当すること自体は問題ありません。
問題なのは、契約後に誰が対応するのかが分からないことです。
代表税理士が担当すると期待していたお客様にとって、契約後に別の人が担当すると分かれば、戸惑うこともあるでしょう。
最初から担当体制が分かっていれば、こうした誤解を防ぎやすくなります。
② 書いてあっても、説明が曖昧
次のような説明を見かけることがあります。
「経験豊富なスタッフが親身にサポートします」
「専門家がチームで対応します」
どちらも悪い表現ではありません。
しかし、これだけでは次のような疑問が残ります。
- 普段の相談は誰が聞いてくれるのか?
- 税理士本人にも相談できるのか?
- 担当者が休みのときはどうなるのか?
- 申告書は誰が確認するのか?
お客様が知りたいのは、「親身にサポートする」という言葉だけではなく、実際にどのような対応をしてもらえるのかということです。
では、どのように説明すれば分かりやすいのでしょうか。
実際の税理士事務所の事例を見ていきます。
担当者が分かりやすい5つの税理士事務所のHP事例
※A〜E事務所の掲載画像は、調査した事務所の情報をもとに作成した再現イメージです。実際のHP画面とは異なります。
A事務所|代表税理士が最初から最後まで対応
A事務所では、初回相談から申告まで代表税理士本人が担当することを明確に伝えています。
ホームページには、担当者が変わらず、税理士本人が一貫して対応するという説明もあります。

この見せ方なら、お客様はホームページに紹介されている税理士が、契約後も対応してくれると分かります。
「代表税理士が担当します」と明確に伝えること自体が、事務所の特徴を知ってもらう材料になっています。
B事務所|スタッフと所長の役割を分けて紹介
B事務所では、日常的な税務・会計のサポートは担当スタッフが行い、重大な問題や重要な判断が必要な場合には所長が対応すると説明しています。
また、事務所内でお客様の情報を共有し、担当者が不在でも別のスタッフが対応できる仕組みも紹介しています。

これなら、普段の相談相手が誰なのか、重要な問題が起きた場合は誰が対応するのかが分かります。
単に「チームでサポート」と書くのではなく、それぞれの役割と、お客様にとってのメリットを伝えている点が参考になります。
C事務所|経験の浅い担当者への対応まで説明
C事務所では、誰が担当するのかを詳しく掲載しています。
特に興味深かったのは、経験の浅いスタッフが担当する可能性も明記していることです。
しかし、それだけで説明を終わらせていません。
- 経験の浅いスタッフにはベテランスタッフがつく
- 税理士が書類のチェックやフォローを行う
- 相性が合わない場合は担当者を変更できる
- 必要に応じて専門分野の異なる税理士が対応する

経験の浅いスタッフが担当すると聞けば、不安に感じるお客様もいるでしょう。
C事務所は、その不安に対して、どのように対応するのかまで説明しています。
お客様が不安に感じそうなことを隠さず、対応方法と一緒に伝えている点が参考になります。
D事務所|2人以上で担当するメリットを紹介
D事務所では、案件の規模に応じて2人以上の担当者で対応するチーム制を採用しています。
そのメリットとして、複数の担当者が異なる視点から検討できることや、一方の担当者と連絡が取れない場合には、もう一方が対応できることを説明しています。

例えば、急ぎの確認が必要なときに担当者が不在でも、別の担当者に相談できるのはお客様にとって安心材料になります。
「2人以上で担当します」だけでなく、それによって何が良いのかまで伝えている事例です。
E事務所|書類を誰が確認するのかまで説明
E事務所では、担当者が作成した決算書や申告書を、誰が確認するのかまで紹介しています。
決算書については、次のように5段階で確認しています。
【担当者 → チームの責任者 → 複数人による確認 → 上席の責任者 → 所長 】
(※役職名は一部、一般的な表現に変更しています。 )

税理士事務所に依頼するお客様は、通常、申告書がどのように作られ、確認されているのかを知りません。
しかし、E事務所のように確認する人や順番が分かれば、担当者一人だけで仕事を進めているわけではないと理解できます。
お客様から見えにくい仕事の進め方まで紹介することで、安心感につなげている事例です。
自分の事務所のHPでは、何をどう書けばよい?
今回調査した5事務所は、担当者の人数も仕事の進め方も異なります。
だからといって、どの体制が優れているということではありません。
大切なのは、自分の事務所では誰が何を担当し、お客様がどのような対応を受けられるのかを伝えることです。
例えば、スタッフと税理士が役割分担する事務所なら、次のような説明が考えられます。
契約後の担当者について(掲載例)
| 内容 | 担当者・対応 |
| 普段のご相談や資料のやり取り | 担当スタッフが対応します |
| 専門的な税務相談 | 担当税理士が対応します |
| 担当者が不在のとき | 別のスタッフが対応します |
| 決算書・申告書の確認 | 税理士が最終確認します |
(※説明用の架空の掲載例です。)
これなら、お客様は契約後の対応を具体的にイメージできます。
代表税理士本人がすべて対応する事務所なら、そのことを明記すれば十分です。
また、ホームページには代表者紹介やスタッフ紹介のページがあることも多いですが、人物の紹介と担当業務の説明は別のものです。
例えば、サービス案内や「選ばれる理由」「よくある質問」など、お客様が契約を検討するときに見るページにも担当体制を掲載すると、情報を見つけやすくなります。

大切なのは説明を長くすることではありません。
お客様が「契約したら誰が何をしてくれるのか」と疑問に思ったとき、すぐに答えが分かることです。
集客導線研究所では、ホームページやGoogleマップ、ブログ、SNSなどを初めてのお客様の視点で確認し、問い合わせまでの流れを診断しています。
まとめ
税理士事務所のホームページでは、代表税理士の経歴や実績だけでなく、契約後の担当者についても伝えることが大切です。
また、「スタッフが親身にサポートします」といった曖昧な説明だけでなく、誰が何を担当するのかまで具体的に書くと、お客様が実際の対応をイメージしやすくなります。
今回紹介した5事務所のように、それぞれの担当体制とそのメリットを分かりやすく伝えることが、問い合わせ前のお客様の不安を減らすことにつながります。

