「みなさんはホームページに必要な情報をきちんと載せていますか?」と質問すると、きっと
「料金、サービス内容、アクセス情報、お客様の声など一通り必要な情報は載せています」と答える人が大半だと思います。
では「お客様がそれらの情報をストレスなく見つけられるようにしていますか?」と質問すると多くの人がいったん立ち止まると思います。
今回お伝えしたいのは「見つからない情報」は、書いていないのと同じということです。
情報というものはお客様がその情報を見つけられなければ、実際には何の役にも立ちません。
税理士事務所のホームページを調べていると、「情報がない」のではなく、「情報はあるのに見つけられない」というケースが何度もありました。
事務所側からすれば、
「ちゃんとホームページに書いてあります」
となるかもしれません。
しかし、お客様からすれば、
「どこに書いてあるのか分からない」。
これでは書いていないのと全く変わりません。
今回は、私が実際に税理士事務所のホームページを見ていて感じた「情報が見つからない」ケースを紹介します。
メニューが英語だけで、どこを押せばいいか分からない

ある税理士事務所では、ホームページのメニューがすべて英語表記になっていました。しかも日本人にはなじみのない英語でした。
デザインとしては“かっこいい”し、まとまって見えます。
しかし、税理士事務所を探しているお客様が知りたいのは、デザインの良し悪しではありません。
- どんな仕事をお願いできるのか
- 料金はいくらなのか
- どんな税理士なのか
といった情報です。
ところが、メニューが英語だけだと、どこを押せば目的の情報へ行けるのか分かりにくくなります。実際に調査した際も、料金やサービス内容など目的のページへたどり着きにくいと感じました。
情報自体はホームページの中にあります。
それでも、入口で迷ってしまえば、その先にある情報は見てもらえません。
ページ名が独特すぎて「お客様の声」を見つけられない

ページ名が独特過ぎてたどり着きにくいというケースもありました。
私が「お客様の声」にあたるページを探していたのですがなかなか見つからず、しらみつぶしに1ページずつ探しているとなんと「お客様の声」にあたるページについていた名前は
「私たちの想いと信頼の証」
(※実際の名称から一部変更しています。 )
でした。
内容を見れば、お客様の声だと分かります。問題は、そこまでたどり着けるかです。
税理士を探している人が、他のお客様の評価を確認したいと思ったとき、多くの場合は、
- お客様の声
- 利用者の声
- 導入事例
- お客様事例
など、それらしい言葉を探すはずです。
そこで「私たちの想いと信頼の証」と書かれていても、すぐに「ここにお客様の声がある」とは分かりません。
事務所側としては特徴のある名前を付けたつもりでも、お客様が探している言葉と違えば、せっかく用意した情報を見つけてもらえないことがあります。
ホームページを作る側からすれば、他とは違う名前を付けた方が個性が出ると考えるかもしれません。
しかし、そのこだわりによってお客様が目的の情報を見つけにくくなってしまえば本末転倒です。
お客様に探してもらう情報ほど、分かりやすい名前にした方が親切です。
「アクセス」ページを探しても見つからない
別の税理士事務所を調べていたときのことです。
ホームページを見ていくうちに、「ここなら相談してもよさそうだな」と思いました。そこで次に確認したくなったのが、事務所の場所です。
ところが、「アクセス」というページが見当たりません。
探してみると、トップページのかなり下、フッター付近にアクセス情報がありました。さらに、
- JRの駅から徒歩1分
- 地下鉄の駅から徒歩2分
という、かなり便利そうな立地であることも書かれていました。
しかし、その情報も文字が小さく、目立たない位置にありました。
これは非常にもったいないと感じます。
事務所の場所は、最初から全員が知りたい情報とは限りません。
ホームページを見て、
「良さそう」
「相談してみようかな」
と思ったその瞬間に知りたくなる情報でもあります。
そのときにすぐ見つかれば、そのまま次へ進めます。(場所の確認や口コミ、駅からの距離、駐車場など)
しかし、探しても見つからなければ、
「どこにあるんだろう?」
「いちいちGoogleマップで調べるのも面倒だな」
となるかもしれません。
このケースでもっと怖いのは、お客さんがスマホで見ていた場合です。スマホでかなり下までスクロールしないと地図や住所は出てきません。
もしそのお客様に他にも似たような好感触の税理士事務所の候補があれば、そっちにいってしまうかもしれません。
こうした小さな手間によって、毎月、毎年と少しずつお客様を逃しているとしたら、非常にもったいないことです。
情報は、ただ置いてあればいいわけではありません。
お客様が必要になったタイミングで見つけられる場所にあることも重要です。
最近の実績が、10年・20年前の実績に埋もれている
情報はそれを置く「場所」だけが問題になるわけではありません。
ある税理士事務所では、長年にわたって大量の情報が掲載されていました。
10年20年前の昔の実績や写真なども多く、長く活動してきたことが分かります。
そして、最近の情報もきちんと掲載されていました。
ところが、新しい情報が古い情報の中に混ざっているため、ぱっと見ただけでは見つけにくい状態でした。
調査したときも、最初は「全部古い情報なのでは?」と感じています。
具体的には、10年、20年前の著書や雑誌への寄稿など、過去の実績が数多く掲載されていました。その中に最近の実績も混ざっていたため、新しい情報がどれなのか一目では分かりませんでした。
これは情報が少ないのとは正反対です。
情報がたくさんあるからこそ、大事な情報が埋もれてしまっています。
たとえば現在も活発に活動していることを伝えたいのであれば、最近の実績がすぐ分かるよう、時系列で整理して日付を一緒に掲載するだけでも、お客様の印象は変わります。
新しい情報を書いたからといって、それがお客様に新しい情報として認識されるとは限りません。
見つけてもらえなければ、「最近の情報がない」と受け取られてしまうこともあります。
同じ税理士事務所のHPが2つ。どっちを見ればいい?

さらに調査していて戸惑ったのが、同じ税理士事務所が2つのホームページを運営していたケースです。
おそらく途中でホームページをリニューアルしたのだと思いますが、古いホームページもそのまま残っているだけでなく、どちらも長期間更新されていました。
さらに困ったのが、2つのホームページに掲載されている情報が違うことです。
最初に見つけたホームページでは、料金が見当たりませんでした。
ところが、もう一つのホームページを見ると、代表者の顔写真や税金のシミュレーションなど、最初のホームページにはなかった情報が掲載されていました。
しかもデザインが全く違うため、私自身、2つ目を見つけたときは別の税理士事務所だと勘違いしました。
私は調査のために両方を見ましたが、普通のお客様が同じように調べるとは限りません。
そもそも2つ目のホームページを見つけないかもしれませんし、見つけても同じ事務所だと気づかないかもしれません。
そうなると、最初に見たホームページだけで、
「料金は載っていないのかな」
「どんな人がやっている事務所なんだろう」
と判断されてしまいます。
情報はあるのに、お客様が見ているホームページにはない。
これも「情報が見つからない」の一つだと思います。
サービス別にHPを作るなら「同じ事務所」だと分かるようにする
もちろん、ホームページが複数あること自体が悪いわけではありません。
相続、会社設立など、サービスごとに別のホームページを用意するケースもあります。
その場合に大切なのは、
- 同じ税理士事務所だとすぐ分かる
- 簡単に行き来できる
この2つです。
せっかくそれぞれのサイトに良い情報を載せても、お客様から見て別々のホームページに見えてしまえば、その情報を十分に活かせません。
スマホでは一番下まで行かないと他のページに移動できない

もう一つ、少し違うケースを紹介します。
ある税理士事務所のホームページはスマホにも対応していました。これは最近では当たり前になってきているのでクリアしている税理士事務所も多いです。
しかし問題はスマホ版のホームページの使い勝手が 非常に悪かったことです。
この事務所のホームページをスマホで見ると、任意のリンクが押しにくく、また別のページへ移動するための「メニューボタン」を使うには、一番下までスクロールする必要がありました。
ホームページの中に情報が揃っていても、その情報を探すための入口が使いにくければ、結果は同じです。
パソコンでは簡単に見つかる。
でもスマホでは探しにくい。
こうしたことも起こります。
今回はスマホ対応そのものについては深く触れませんが、「ホームページに情報があるか」だけを見るのでは足りない例の一つです。
「見つけてもらえない情報」は、「無い」のと同じ
ここまで紹介したケースは、それぞれ原因が違います。
- 英語メニューで、どこを押せばいいか分からない
- ページ名が独特すぎて、「お客様の声」だと分からない
- アクセス情報が、目立たない場所にある
- 最近の実績が、昔の実績に埋もれている
- 同じ税理士事務所のHPが2つあり、情報が分かれている
- スマホでは一番下まで行かないと、他のページに移動できない
しかし、共通していることがあります。
情報そのものは、ちゃんとホームページにあることです。
事務所側からすれば、
「料金は書いてある」
「アクセスも載せている」
「お客様の声もある」
「最近の情報も更新している」
という認識になるでしょう。
しかし、初めてホームページを見るお客様は、どこに何があるのか知りません。
欲しい情報を探して、すぐに見つからなければ、
「載っていないのかな」
と思われてしまう可能性があります。
すべてのページを開いて、ホームページの隅々まで探してくれるとは限りません。
事務所側には「ある情報」でも、お客様が見つけられなければ、そのお客様にとっては「ない情報」とほとんど変わらないのです。
「載せたか」ではなく「見つけられるか」で考える
では、どうすればいいのでしょうか。
ホームページを見るときに、
「必要な情報を載せているか」
だけで終わらせず、
「初めて来たお客様が、その情報を簡単に見つけられるか」
まで確認します。
たとえば、
- サービス内容を知りたい → すぐ見つかるか
- 料金を知りたい → すぐ見つかるか
- 他のお客様の評価を知りたい → すぐ見つかるか
- 事務所の場所を知りたい → すぐ見つかるか
- 最近も活動しているのか知りたい → すぐ分かるか
という見方です。
ここで難しいのが、事務所の人は自分のホームページに慣れていることです。
どこに料金があるのか、どこにアクセス情報があるのかを最初から知っています。
だから自分でホームページを見ても、簡単に見つけられてしまいます。
しかし、お客様が見るのは初めてです。
この違いがあるため、
「ちゃんと載せているのに、お客様には伝わっていない」
ということが起こります。
ホームページを確認するときは、知っている人の目ではなく、初めて見るお客様の目で探してみることが大切です。
自分のホームページは、どこに何があるのかを知っているため、完全に初めて見るお客様と同じ目線で確認するのは意外と難しいものです。
集客導線研究所では、ホームページ・Googleマップ・ブログ・SNSなどを、実際のお客様になりきって確認する「顧客視点診断」を行っています。
まとめ
今回調べた税理士事務所も、必要な情報を載せていなかったわけではありません。
むしろ、役立つ情報や信頼につながる情報をきちんと用意している事務所が多くありました。
問題は、その情報がお客様に見つけてもらえる状態になっているかです。
- せっかく料金を書いても、見つからない
- せっかくお客様の声を載せても、見つからない
- せっかく駅から近くても、アクセス情報が見つからない
- せっかく最近も活動していても、新しい情報が見つからない
これでは、良い情報を持っていても十分に活かせません。
ホームページで大切なのは、
「書いてあるか」だけではなく、「お客様が見つけられるか」。
せっかく用意した情報をきちんとお客様に届けるためにも、一度「初めてこのホームページを見るお客様」のつもりで探してみてください。

